欧州最大の太陽エネルギー研究機関である独フラウンホーファーISEは、タンデム型太陽電池の量産化に向けた研究開発拠点を2026年5月5日(独現地時間)に開設した。同日に発表した。
・研究段階から工業用210ミリ角フォーマットへの移行とモジュール化を加速
・既存のシリコンセル製造工程を活用できるハイブリッドプロセスを確立

フラウンホーファーISEの新研究所「Pero-Si-SCALE」は、ドイツをはじめとする欧州企業による、ペロブスカイト太陽電池とシリコン太陽電池を積層したタンデム型の研究開発を支援する施設。タンデム型セルやモジュール、製造技術の開発、包括的な特性評価といった量産化に必要な環境をメーカーなどに提供する。
具体的には、基礎研究から実験室レベルの実証段階(技術成熟度:TRL1~4)にある初期の研究成果を基盤に、現行の工業規格である210ミリ角(M12)の大型セルへと落とし込み、高スループットな製造プロセスでの検証を行う。
製造プロセスでは、真空成膜と湿式化学プロセスを組み合わせたハイブリッド方式を採用する。この手法は、一般的に使用されているテクスチャード加工済みシリコンセルをボトムセルとしてそのまま転用できるため、既存の製造ラインへの統合が容易であるとする。同研究所は、この手法ですでに実験室規模で33%を超える変換効率を記録しているという。VON ARDENNE社などの真空コーティング装置も導入している。
本プロジェクトはドイツ連邦経済エネルギー省(BMWE)の支援を受けており、20年以上の実績を持つ「太陽光発電技術評価センター(PV-TEC)」とも連携する。今後は、欧州における太陽電池製造の市場シェア回復と、次世代技術における産業基盤の再構築を後押しする構えだ。
参考資料: Fraunhofer ISE
