静岡県は電気通信大学と共同で、茶畑でペロブスカイト太陽電池を活用した営農型太陽光発電の実証実験を開始した。2026年4月27日に発表した。
・円筒形モジュールの採用で日射角度に依存しない安定した発電と農作物への採光を両立
・吊り橋型の設置手法により強固な架台工事を不要とし急峻な傾斜地を持つ茶畑への導入を容易に

実証では、電気通信大学が静岡県による「次世代型太陽電池導入モデル創出業務委託事業」の採択を受け、同県菊川市の農林技術研究所茶葉研究センター内の茶畑に「吊り橋型円筒形太陽電池モジュール」を設置した。発電量の計測と茶の成長評価を行い、茶の生産と発電の両立を検証する。実証期間は2027年3月までを予定している。
吊り橋型円筒形太陽電池モジュールは、薄く柔軟性のあるペロブスカイト太陽電池シートを円筒に封入した構造を持つ。これにより、太陽の高度や方位に関わらず、1日を通じて安定した発電量を確保できるとする。
また、複数の円筒形モジュールを間隔を空けて並べることで、太陽光や雨、風が透過し、下部で栽培される茶葉の生育環境を維持するという。なお、モジュールの配線には矢崎エナジーシステムの技術が活用されている。
設置手法には吊り橋型の構成を採用した。強風を受け流せる構造であることに加え、強固な架台の設置や撤去工事が不要となる。これにより、地盤が柔らかく急峻な斜面が多くを占める茶畑での太陽電池システムの導入を容易にするとしている。
今後、静岡県内の企業等と連携し、吊り橋型円筒形太陽電池モジュールを活用したソーラーシェアリング事業の展開を目指す。
営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)は、農地の上に太陽光パネルを設置し、農業を営みながら発電する事業。国内で発電適地が限界を迎えつつあるなか、広大な面積を持つ農地を有効活用できる手法として期待が高い。農家にとっては売電収入による経営基盤の安定化に寄与する。普及に向け、農業生産性を維持するための遮光率の制御や、コストの大きな割合を占める架台・施工費の低減などが期待されている。
