炭素電極でペロブスカイトの劣化を抑制、名大らがフィールド実証

 名古屋大学と大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)は、単層カーボンナノチューブ(SWCNT)を裏面電極に採用したペロブスカイト太陽電池(PSC)の実証実験を開始した。2026年3月30日に発表した。

・SWCNT電極により屋外光と室内光の両面から発電可能な半透明構造を実現した
・金属電極の腐食問題を解消しラジカル消去効果によるデバイスの長寿命化を検証する

 名古屋大学大学院工学研究科の松尾 豊 教授、上岡 直樹 助教、大島 久純 特任教授らの研究グループと、大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)、デンソーの共同実証は、PSCの発電特性や経時劣化挙動を検証するためのもの。

 実証では、10cm角のセミモジュール27枚をOsaka Metro本社ビルに設置する。実環境下で金属電極型3枚と比較しながら長期的に評価し、将来的には駅施設や車両、都市空間への設置を検討するための基礎データを取得する。実施期間は、2026年3月 ~ 2027年3月の予定。

 使用するPSCは、下部の透明電極にITO(酸化インジウムスズ)、上部の裏面電極にSWCNTを備え、両面受光型および半透明構造になっている。これにより、窓面に設置した際、屋外の太陽光だけでなく室内照明などの微弱な光からも効率的に発電できるという。

 炭素原子のみで構成されるSWCNTは化学的に極めて安定しており、従来の金属電極で課題となっていた腐食や拡散による劣化を抑制するとしている。さらに、活性酸素を消去する効果も期待されており、デバイス全体の耐久性向上に寄与するという。将来的に、貴金属やレアメタルであるインジウムの代替材料としての活用も期待される。

参考資料: 名古屋大学

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