ペロブスカイトの体育館導入、補助金で「投資回収7年」に いちき串木野市が事業性調査

 鹿児島県いちき串木野市は、ペロブスカイト太陽電池の公共施設への導入を検討するために事業性を調査し、その結果を2026年4月30日に発表した。

・体育館屋根のペロブスカイト最適容量は55kW
・補助金活用で投資回収年数を20年から7年へと13年短縮

 いちき串木野市の「次世代エネルギー導入可能性調査及び普及推進事業」では、市内への再生可能エネルギーの普及に向け、公共施設を対象にペロブスカイト太陽電池やシリコン太陽電池の導入ポテンシャルや事業性などを調査した。同事業の予算額は1931万円で、建設コンサルタントの西日本技術開発が受託した。

 調査では、まず市内全域の公共施設126カ所をリストアップし、改修計画の有無や残存耐用年数、電力消費施設の有無、契約電力、昼間の稼働時間、外壁・屋根面積などを評価し、導入に適した施設を選定。ペロブスカイト太陽電池については、串木野環境センター、川上交流センター、総合体育館、多目的グラウンドという4施設に絞り込み、事業性を評価した。事業性評価では、各施設の電気使用実績に基づき、太陽光発電で発電した電力を過不足なく消費できる最適な設置容量を算定した。

 同調査によると、自家消費率が90%という条件で、最も最適容量が大きい施設は、総合体育館の屋根に設置する場合であり、容量が55kW、事業費が1991万円、全額自費での投資回収には20年を要する。国の「ペロブスカイト太陽電池の社会実装モデルの創出に向けた導入支援事業」による補助金(4分の3補助想定)を活用することで、実質的な負担額が663万円になり、投資回収が7年になる。

 同条件で補助金を活用した場合、多目的グラウンドの屋根設置は、最適容量が5kW、事業費が185万円、投資回収が9年、串木野環境センターの壁設置は最適容量が43.5kW、事業費が529万円、投資回収が9年になる。一方で、川上交流センター(1kW)のような5kW未満の設置では国の補助金を活用できないことから、回収に41年を要する。

 なお、事業費については、自然エネルギー財団のレポート『ペロブスカイト太陽電池に高まる期待』や経済産業省の「次世代太陽電池戦略」の資料などを参考に推計している。

参考資料: いちき串木野市

よかったらシェアして下さい!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ペロブスカイトニュース編集部は、次世代太陽電池の最新情報を独自の視点で整理し、お届けしています。技術動向から、社会実装の現場、市場を牽引する企業の戦略までを、環境・エネルギー分野の専門的な知見に基づいて厳選して伝えます。

目次