出光興産は、同社が進める宇宙用CIGS太陽電池の開発事業がJAXAの「宇宙戦略基金」に採択され、最大30億円の補助金交付が決定したと2026年6月18日に発表した。
・JAXAの補助金を活用し宇宙用CIGS太陽電池の量産化に向けた技術開発を推進
・2027年に千葉県内にベンチプラントを構築し連続生産の実証を開始予定

出光興産は、宇宙用太陽電池のベンチプラントを2027年に稼働開始する計画だ
出光興産は、JAXAが運営する「宇宙戦略基金」の公募テーマ「衛星サプライチェーン構築のための衛星部品・コンポーネントの開発・実証」に、「宇宙用CIGS太陽電池の高効率化および量産技術開発」を提案し、採択された。本事業では、最大30億円の補助金を活用し、宇宙用CIGS太陽電池の実証と量産化に向けた技術開発を進める。
具体的には、宇宙用途に適した軽量かつ高効率なCIGS太陽電池セルの開発と、そのプロセス技術の確立に取り組む。続いて、開発したプロセス技術を基盤に、千葉県袖ケ浦市にある同社の次世代技術研究所内にベンチプラントを構築し、2027年に稼働を開始する計画である。最終的には、このベンチプラントを用いた連続生産の実証を行う。
同社は、宇宙産業への事業展開を目指しており、蓄積してきた材料技術と薄膜技術を活かし、宇宙用CIGS太陽電池の開発を進めている。同電池は、銅、インジウム、ガリウム、セレンを用いた化合物半導体で、高い放射線耐性による長寿命化や、レアメタル使用量の削減が特徴だとする。さらに、同社独自の製造技術を活用し、生産能力と価格競争力を高めるとしている。既存の宇宙用太陽電池には、強い放射線による劣化やレアメタルの大量使用、高コスト、製造に時間を要するため生産量が限られるなどの課題があるという。
今後は、市場環境や技術開発の状況を踏まえて本格的な量産設備の立ち上げを検討し、宇宙用CIGS太陽電池の早期事業化を進める方針である。宇宙インフラを支える基盤技術である太陽電池の安定供給を通じて、次世代通信インフラの発展や持続可能な宇宙開発に貢献するとしている。
参考資料: 出光興産
