カルコパイライト太陽電池を開発するPXPが、量産工場の設備投資に向け15.6億円の資金調達を実施したと2026年7月9日に発表した。
・シリーズBラウンドでソフトバンクなどから15.6億円を調達し量産工場の設備投資を加速
・自社開発のペロブスカイトとカルコパイライトを組み合わせた高効率なタンデム型太陽電池の実用化を目指す

PXPは、シリーズBラウンドで総額15.6億円の資金調達を実施した。これにより、同社のエクイティによる累計調達額は約31.1億円となった。今回のラウンドには、筆頭株主であるソフトバンクをはじめ、東京センチュリー、名古屋電機工業、三菱UFJキャピタル、新明和工業、中島工業、アルコニックスベンチャーズ、三菱HCキャピタル、自動車ファンド、SOLABLEトレーディング、TARO Venturesなどの11社が参加している。
さらに、同社はエクステンションラウンドでの追加調達も予定している。また、長期性資金として約9億円のデットファイナンスを確保したほか、政府系機関や自治体などの助成事業や委託事業として累計約26億円の採択を受けている。
調達した資金は、神奈川県相模原市で建造中の量産工場に対する設備投資に充てられる。同工場はPXPにとって初となる量産施設であり、年間25MWの生産能力を備える計画である。2027年度の操業開始および早期の市場投入に向け、開発と製造体制の構築を進める。
同社が開発するカルコパイライト太陽電池は、銅やインジウムなどの化合物半導体を厚さ50μmの超薄膜金属の基板上に形成する。重量は1平方メートルあたり1kg以下と、現在主流のシリコン型太陽電池の10分の1以下に抑えられている。柔軟性があり曲面への設置が可能なほか、衝撃や火災に対する耐性も備えているという。耐久性はシリコン型と同等レベルの20年以上、発電効率は量産時で約18%を見込む。

既存のシリコン型では重量や形状の制約で設置が困難であった建物の屋根や壁、車両などへの適用を想定し、現在複数分野の顧客候補と実証を進めている。

将来的には、独自製法で開発を進めるペロブスカイト太陽電池とカルコパイライト太陽電池を組み合わせたタンデム型太陽電池の実用化を目指す。
タンデム構造は、吸収する光の波長帯域が異なる2種類の太陽電池を重ね合わせることで、太陽スペクトルを効率良く分担し、変換効率を大幅に向上させる技術。ペロブスカイトとカルコパイライトは吸収波長の相性が良く、タンデム化によりカルコパイライト単層と比べて1.5倍となる30%近傍の変換効率を見込む。
参考資料: PXP
