アイシン、ペロブスカイト量産化へ布石 500mm角開発とインフラ実証でGI基金採択

 アイシンは、ペロブスカイト太陽電池の実用化に向け、量産技術の開発と国内外での実証を進める。同事業が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金(GI基金)」事業に採択されたと2026年8月21日に発表した。

 今回GI基金で採択を受けたアイシンの事業内容

 GI基金事業の1つである「次世代型太陽電池の開発」では、ペロブスカイト太陽電池の開発を、(1)基盤技術の開発、(2)大型化・耐久性向上、(3)実装・実用化という3段階で支援している。

 アイシンはこれまで、GI基金事業で基盤技術の開発と大型化・耐久性向上に取り組み、高速かつ大面積での塗工を可能とする独自のスプレー塗布工法をはじめ、カーボン電極やホール輸送材料の開発を進めてきた。その結果、実用サイズ(300mm角)のモジュールを性能と信頼性を担保しながら製造する技術を開発したとする。

 今回、実装・実用化段階にあたる「次世代型単接合太陽電池実証事業」に応募し、採択された。同事業で、高い生産性と歩留まりを実現する生産工程の開発と、空港や道路といった交通インフラへの設置を想定した国内実証、海外での事業展開を見据えた実証を実施する。

 量産技術開発では、実証ラインを導入し、そこでモジュールサイズを最大500mm角へ大型化するとともに、ノズルの複数化などによる塗布・乾燥工程の高速化、薄ガラス基盤の自動搬送による高速化を図る。また、豊田中央研究所や東京大学、山形大学、産業技術総合研究所(AIST)と連携し、発電層材料の最適化、材料分析技術を活用した発電・劣化メカニズムおよび良品状態の解明、耐久性向上を目的としたバリアコーティングの研究を進める。

 実証試験では、太陽電池事業を手掛けるシーエナジーと連携し、中部国際空港およびインドネシアの連結子会社であるPT. AISIN INDONESIA(インドネシア・ジャカルタ)で実証を実施する。インフラ特有の環境条件や設置制約、日本国外の気候・運用条件に対応するペロブスカイト太陽電池パネルと施工技術の開発につなげるのが狙い。

 中部国際空港では、空港で求められる防眩性、耐風圧性、耐塩害性などを評価するとともに、蓄電池との連携を含むシステムを実証する。システム全体での競争優位性の確保を目指すという。

 今後は、複数の協力先企業と連携し、道路や鉄道、港湾といったインフラ空間で実証を進めるのに加え、米国での実証も計画している。

参考資料: アイシン

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ペロブスカイトニュース編集部は、次世代太陽電池の最新情報を独自の視点で整理し、お届けしています。技術動向から、社会実装の現場、市場を牽引する企業の戦略までを、環境・エネルギー分野の専門的な知見に基づいて厳選して伝えます。

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