モノクロームは、標高6000m級の過酷環境下で、ペロブスカイト太陽電池の実証実験を開始したと、2026年8月11日に発表した。実証の知見を同社が手掛ける住宅向け建材一体型太陽光発電(BIPV:Building Integrated Photovoltaics)の開発に活用する。

実証におけるペロブスカイト太陽電池の活用例
実証では、開発中のペロブスカイト型太陽電池の試作機を、登山家の鈴木雄大氏が2026年8月〜9月上旬にかけてパキスタンのカラコルム山域への遠征に携行し、標高6000m級のベースキャンプで性能を検証する。
検証項目として、(1)発電性能、(2)耐久性の2つを挙げる。
発電性能については、曇天や日陰などの低照度下におけるペロブスカイト太陽電池の発電の安定性を、実際の山岳環境で検証する。ペロブスカイト太陽電池は低照度でも発電効率が比較的高いとされており、そうした環境での発電性能を結晶シリコン系太陽電池と比較し、発電優位性を確認する狙いがある。
耐久性については、標高6000m級のベースキャンプで、低温、強風、激しい寒暖差など、都市部では想定されない過酷な環境における動作や劣化状況を把握する。
鈴木氏は、「電源のないベースキャンプでは、限られた太陽光の中でどのように発電し、衛星通信による天気予報を取得するか、カメラなどの機材を充電するかが不安要素の1つになっている」と述べる。
遠征終了後、試作機を回収し、発電ログや外観の劣化状況を分析する。初期評価は6カ月程度で完了する予定である。また、2027年夏頃には外壁材一体型パネルの実証実験を計画している。
モノクロームによると、これまでペロブスカイト太陽電池の実証は、建物や公共インフラへの据え置き型が中心であり、電源のない自然環境下での実運用データは乏しかった。そこで、同社は、将来の建材一体型製品への応用を見据え、都市部だけでなく、想定しうる最も過酷な自然環境下でのデータ取得が必要と判断し、実証を企画した。将来的に、過酷環境での検証を含めた複数の実証を通じて得た知見を、建材一体型製品の開発に反映していく方針である。
参考資料: モノクローム
