パシフィックコンサルタンツ、ペロブスカイトなどを用いた堤防法面での実証を完了

 パシフィックコンサルタンツは、堤防法面でのペロブスカイト太陽電池などを用いた実証実験を完了したと、2026年7月21日に発表した。

・堤防機能に影響なく夏季も想定通りの発電性能を確認
・モジュール設置箇所で防草効果による負担軽減

 今回の実証は、環境省の「水インフラの空間ポテンシャル活用型再エネ技術実証事業」、および愛知県の「矢作川・豊川カーボンニュートラルプロジェクト」の一環として、愛知県額田郡幸田町の菱池遊水地で、2025年7月1日から2026年3月20日にかけて実施した。

 堤防の機能を維持しながら太陽光発電を行うため、ペロブスカイト太陽電池とシリコン太陽電池のモジュールを法面ブロックと一体化し、堤防法面に設置した。

 法面ブロックには、漏電・感電を抑制するため、裏側の溝に配線を収納する構造を採用した。さらに、環境負荷低減のために低炭素コンクリートを使用している。

 検証の結果、発電性能は事前のシミュレーションと同等の結果を得た。名古屋市で猛暑日が52日を記録した夏季においてもモジュールの顕著な劣化は見られず、安定した発電を確認したという。

 また、モジュール表面に汚れの付着は見られたものの、法面ブロックや配線に劣化や漏電は発生せず、堤防の断面形状も維持されたとする。これにより、防機能を維持しながら太陽光発電設備を設置できることを確認したとしている。

 さらに、太陽電池モジュールを設置した箇所では周辺と比較して雑草の繁茂が抑制された。これにより、除草作業の低減など、設備の維持管理コスト削減につながる可能性を実証したとする。これにより、発電機能に加えて維持管理負担の軽減にも寄与するという。

 パシフィックコンサルタンツは、今回の実証結果を踏まえ、農地や公共施設など堤防以外の法面への展開を進める。加えて、ダム貯水池などの水インフラを対象とした活用についても検討し、適用範囲の拡大を目指す。

参考資料: パシフィックコンサルタンツ

よかったらシェアして下さい!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ペロブスカイトニュース編集部は、次世代太陽電池の最新情報を独自の視点で整理し、お届けしています。技術動向から、社会実装の現場、市場を牽引する企業の戦略までを、環境・エネルギー分野の専門的な知見に基づいて厳選して伝えます。

目次