2026年8月31日に締め切られた2027年度予算の概算要求では、ペロブスカイト太陽電池への支援強化が鮮明になった。環境省の大幅な予算増額や政府施設への導入開始に加え、経済産業省も設備投資を後押しする。各省庁による同電池の主要な概算要求を紹介する。
<環境省>
ペロブスカイト太陽電池の社会実装モデルの創出に向けた導入支援事業(要求額:280億円)
自治体や民間企業などのペロブスカイト太陽電池の導入を支援するため、前年度(70億円)の4倍にあたる280億円を要求する。同事業では、(1)事前調査や導入計画策定、(2)設備導入の2つを支援する。一方で、シリコン系太陽電池については導入費の減少を理由に、2027年度から新たに実施する事業を補助の対象外としており、支援の重点を大きく転換することになる。(関連記事)
政府施設を活用した各行政分野におけるペロブスカイト太陽電池の需要創出事業(要求額:5億円)
ペロブスカイト太陽電池の需要創出に向け、政府施設に先行導入するための新規委託事業を開始する。2027年度から2030年度にかけて、庁舎や社会福祉施設、文教研修施設、研究機関などに導入し、そこで得た知見を自治体に共有する。(関連記事)
<経済産業省>
GXサプライチェーン構築支援事業(要求額:1134億円)
GX(グリーントランスフォーメーション)技術への設備投資を支援する事業に前年度(497億円)比で約2倍となる1134億円を要求しており、国庫負担を含めると事業費の総額は2045億円となる。同事業ではこれまで、ペロブスカイト太陽電池関連企業として、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を開発する積水化学工業、同電池のレーザー加工装置を開発する片岡製作所や、三星ダイヤモンド工業が採択されている。(関連記事)
再生可能エネルギー主力電源化へ向けた太陽光発電の課題解決のための技術開発事業(要求額:32億円)
次世代型太陽電池の研究開発に加え、太陽光発電設備の計・施工・運用保守に関するガイドラインの更新やリサイクル技術、日射量予測技術の開発を進める。2025年から2029年の5年間で、中期的に6件の技術確立を目標にする。
<国土交通省>
モビリティ・エネリンク構想(要求額:10億円)
空港や港湾、道路といった交通・社会インフラの分野で再生可能エネルギーの設置や活用を進める事業では、モビリティ・インフラ分野のポテンシャルや電気輸送について調査する。事業の1つとして、ペロブスカイト太陽電池の導入調査や実証などを検討する。(関連記事)
鉄道技術開発費補助金(鉄道脱炭素施設等実装調査)(要求額:1.1億円)
脱炭素につながる鉄道施設の整備に関する調査・検討を支援するため、事業費2.2億円(内、国費1.1億円)を盛り込む。取り組みの一例として、ペロブスカイト太陽電池の実装検証をあげる。(関連記事)
