2026年8月は、環境省が従来型太陽光電池から次世代型太陽光電池へ支援の軸足を移す方針を打ち出した。また、メーカーによる大型化や量産化に向けた投資が加速する一方、中国企業と合弁会社を設立する動きもあった。さらに、第三者評価サービスや専用保険が登場し、社会実装に向けたエコシステム構築が一気に進展した。
国が強力な市場形成の後押し
環境省は、2027年度からシリコン系太陽光電池の購入補助を廃止し、ペロブスカイト太陽電池への支援を強化する。自治体や民間企業向けの導入支援事業として、概算要求に前年度比4倍の280億円を盛り込んだ。
環境技術普及促進協会は、環境省などの導入支援事業の一次公募で大阪府、福岡県、村田製作所などの11団体を採択した。1事業あたり上限10億円を交付し、大規模な社会実装を支援する。
量産技術の確立と事業化に向けた巨額投資
アイシンは、NEDOのグリーンイノベーション基金事業に採択され、約98億円の支援を受けて薄ガラス型ペロブスカイト太陽電池の量産技術を開発する。モジュールの500mm角への大型化や、国内外の交通インフラにおける実証を進める。
倉元製作所は、中国の聚石化学グループと合弁契約を締結した。段階的に約9.3億円を調達し、将来的に過半数の議決権を同グループへ移行することで、量産化に向けた課題解決と資金調達を図る。
普及のハードルを下げる周辺サービスの誕生
損害保険ジャパンは、積水ソーラーフィルム向けに運用プロセスの性能保証に対応する専用保険の提供を開始した。メーカーとユーザー双方の保証リスクの軽減につなげるという。
JFEテクノリサーチは、材料からモジュールまでの一貫評価サービスを開始した。第三者機関として耐候性試験や劣化解析のデータを提供し、実用化や量産化に向けた技術課題の解決を支援するとしている。
多様なフィールドで広がる社会実装の形
北九州市など3者は、国内で初めてPPAモデルを活用し、フィルム型を市立中学校の体育館に導入する。需要家が設備を所有しない方式により、初期投資の削減と導入期間の短縮を実現する。
新日本海フェリーは、暴露甲板にペロブスカイト太陽電池を実証設置した新造大型カーフェリー「はまなす」を9月1日から就航させている。
