【26年4月のペロブスカイト関連記事】首都圏自治体が普及へ提言、円筒形や瓦型などの特殊構造も登場

 2026年4月は、九都県市が政府に対し補助要件緩和を要望するなど、社会実装を後押しする政治的動向が顕在化した。並行して、国際標準化や日韓の製造装置連携といった世界市場を睨んだ戦略が具体化。形状の自由度を活かした特殊モジュールも実証も進められた。

九都県市が「量産・導入支援」の抜本強化を提言
・首都圏の1都3県と5つの政令指定都市で構成する九都県市首脳会議は、ペロブスカイト太陽電池の早期普及に向けた要望書を政府へ提出した。開発メーカーへの継続的な量産支援に加え、自治体や民間が利用しやすいよう、国の補助事業における耐荷重などの要件の緩和と財政支援の拡充を強く求めている。また、資源循環に向けたリサイクル技術や、次世代タンデム型の開発推進も提言の柱とした。

国際標準化とサプライチェーンの強化
日本規格協会は、「国際標準化戦略推進センター」を新設し、ペロブスカイト太陽電池を重点支援分野に指定した。日本主導のルール形成を加速させることで、国内メーカーがグローバル市場で優位性を確保できる環境を整える。
・ペロブスカイト太陽電池の製造装置を手掛けるNPC 、韓国の Gosan Techと資本提携し、インクジェット塗布装置を含む製造ラインの供給体制を強化した。NPCの後工程に関わる技術と、ネットワークとGosanの高度な塗布技術を統合し、日米のペロブスカイトメーカーへ大規模ラインを一括提供する。

設置場所の制約を克服する「ユニークな構造」
静岡県と電気通信大学は、茶畑に適した「吊り橋型円筒形モジュール」の実証を開始した。円筒状に封入することで日射角度に依存せず発電でき、隙間から光や雨を通すことで作物への影響を最小限に抑えつつ、急峻な傾斜地への設置を容易にしている。
オランダ応用科学研究機構(TNO)は、曲面を持つ屋根瓦にフィルム型モジュールを実装し、変換効率12.4%を達成した。既存の生産プロセスが適用可能で、意匠性と発電性能を両立した建材一体型(BIPV)の商用化に向け、スピンオフ企業を通じて展開を加速させる。

インフラ・物流現場でのフィールド実証
日新電機などのコンソーシアムは、京都市の下水処理施設でペロブスカイトを含む太陽電池の設置実証を開始した。水インフラ特有の環境下での劣化状況や維持管理性を検証し、2030年の導入目標達成に向けたモデル構築を目指す。
トヨタ輸送は、 PXPらと協力し、車両運搬車の導風板に太陽電池を一体化した実証をスタートさせた。空力性能を損なわず発電を行うことで、走行時の燃費向上とCO2排出削減を同時に実現する狙いだ。

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