金沢大学がペロブスカイトのリサイクル技術を開発、金91.6%・鉛99.7%を回収

 金沢大学は、フレキシブル型ペロブスカイト太陽電池に含まれる鉛や金、インジウムをワンステップで分離回収する技術を開発したと、2026年6月18日に発表した。

・低濃度の混酸と吸着材を用い封止されたデバイスから金属を一度に溶出し回収
・有害な鉛の回収と有価金属の再資源化を同時に実現し大規模普及時の環境課題を解決

 ペロブスカイト太陽電池は軽量で柔軟性があり、低コストで製造できる次世代太陽電池として期待されている。一方で、有毒な鉛や高価な金、インジウムを使用しているため、普及後の大量廃棄による環境負荷やコスト上昇が課題となっている。従来の回収技術は、デバイスを各層に分解する手間や、コストと毒性の高い有機溶媒が必要という問題があったという。

 これに対し、金沢大学の研究グループは、封止されたフレキシブルペロブスカイト太陽電池を低濃度の混酸(希塩酸と希硝酸の混合溶媒)で処理し、デバイス内の金属を一度に溶液へ溶出させる手法を開発した。この酸溶媒は加熱することで強い酸化力を持ち、金属の溶出を可能にする。

 溶出した金属の回収には、同大学が開発した硫黄官能基を持つセルロース系吸着材を使用する。これにより、強酸性の条件下でも金を選択的に吸着する。その後、溶液のpHを調整し、キレート樹脂を用いることで鉛とインジウムを回収する。結果として、溶液からの回収率が金91.6%、鉛99.7%、インジウム100%となったという。さらに、回収した鉛とインジウムを硝酸で溶離した後、硫酸を添加することで鉛を沈殿させ、両者を分離する。

 同技術は、劣化・破損したデバイスや封止されたデバイス、フレキシブルデバイスに適用可能であるとする。今後、研究グループは、同技術を大面積モジュールや使用済みデバイスに適用するとともに、連続処理プロセスやカラム分離技術への展開を図ることで、工業レベルでのリサイクルシステムを構築をする。合わせて、ライフサイクルや回収コストの評価を進める。

参考資料: 金沢大学

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ペロブスカイトニュース編集部は、次世代太陽電池の最新情報を独自の視点で整理し、お届けしています。技術動向から、社会実装の現場、市場を牽引する企業の戦略までを、環境・エネルギー分野の専門的な知見に基づいて厳選して伝えます。

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