ペロブスカイトの弱点「水」克服へ、ソアーらが高耐湿のバリア膜を試作

 ソアーは、OPERA Solutionsと共同で、ペロブスカイト太陽電池など向けのバリア膜を試作した。水蒸気をほとんど通さない耐湿性能を実証したという。ソアーの親会社であるサクサが2026年10月6日に発表した。

試作品の構造

 ソアーの膜封止技術とOPERA Solutionsの有機エレクトロニクス分野の知見を組み合わせ、高性能バリア膜を形成した。同バリア膜を「カルシウム(Ca)腐食法」で性能を測定した結果、水蒸気透過率(WVTR)が10⁻⁵g/m²/dayレベルだったとする。

バリア膜のCa腐食法による耐湿性能評価

 同バリア膜をペロブスカイト太陽電池とフレキシブル有機ELの試作品に適用し、次世代デバイスへの展開可能性を確認したとしている。

ペロブスカイト太陽電池の試作品

 ソアーは、東北パイオニアの米沢工場を前身とし、1997年には世界で初めて有機ELの量産技術開発に成功しており、現在は有機ELデバイスの開発・製造受託サービスを提供している。一方、OPERA Solutionsは、九州大学最先端有機光エレクトロニクス研究センターの研究者らが設立したスタートアップ。有機エレクトロニクス分野の試作・評価受託を手掛けている。

 2025年4月に、両社は有機エレクトロニクスデバイスの製品開発・新技術創出に向けたコンサルティング業務委託契約を締結した。同年にフレキシブルデバイスを共同試作しており、今回の試作は当時の内容を発展させたもの。

 ソアーによると、近年、有機ELディスプレイやペロブスカイト太陽電池、ウェアラブルデバイスなどの分野では、軽量化や薄型化、フレキシブル化への要求が高まっている。これらのデバイスは水分や酸素の影響を受けやすく、性能劣化や寿命低下の要因となることから、高性能なバリア膜による保護が不可欠である。特にフレキシブルデバイスでは、優れた耐湿性に加えて屈曲性との両立が求められており、高性能バリア技術の確立が重要な課題になっている。

参考資料: ソアー

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ペロブスカイトニュース編集部は、次世代太陽電池の最新情報を独自の視点で整理し、お届けしています。技術動向から、社会実装の現場、市場を牽引する企業の戦略までを、環境・エネルギー分野の専門的な知見に基づいて厳選して伝えます。

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