商社のGSIクレオスと自動販売機を製造・販売するSDRSは、光を透過する有機薄膜太陽電池(ST-OPV)の実証実験を開始したと、2026年5月20日に発表した。
・窓ガラスへのST-OPV貼付による遮熱と自動販売機への給電能力を検証
・災害時に72時間電力を供給する自立型レジリエンス避難拠点の構築を目指す

ST-OPVは、有機半導体を用いて光を透過しながら発電する次世代太陽電池。鉛などの有害物質を含まない有機材料のみで製造されるため環境負荷が低い。超軽量かつ柔軟なフィルム状であり、耐荷重性の低い既存建築の窓ガラスなどへも容易に後付けできるという。
今回のGSIクレオスとSDRSによるST-OPVの実証では、2026年4月~2027年4月にPhase 1、2027年4月~2028年4月にPhase 2という2回に分けて実施する計画である。GSIクレオスのOPV事業子会社であるウロボロス・パワー・ハーベスティングも参画する。
Phase 1では、SDRS赤城事業所の大会議室にある窓ガラス全面にあたる約10平方メートルに、ST-OPVフィルム18枚を設置する。同会議室には、南向きの大面積窓ガラスがあり、日射による室内の温度上昇と、それに伴う空調負荷の効きにくさが課題となっていた。
SDRS製の冷蔵・非冷蔵型自動販売機への給電能力を検証するほか、遮熱による室内空調出力の低減、方位・季節・照度別の発電性能、低照度時の出力特性、ピークカット効果などを評価する。
十分な発電・遮熱効果が確認された場合、Phase 2に移行し、同建屋の大食堂にある約150平方メートルの窓ガラス全体(270枚)へ設置する予定だ。
将来的に、両社は、ST-OPVに蓄電池と自動販売機をパッケージ化し、災害時でも照明や通信機器用の電源、飲料などを最低72時間提供する自立型システムを開発する。SDRSの全国20カ所以上のメンテナンス拠点を活用し、運用・保全から回収までワンストップで自治体や商業施設などへ提供することを目指す。
参考資料: GSIクレオス
